みなさんは、たぶん「スコトマ」と言う言葉は聞いたことがあるでしょう。
それは、目の前にあっても、認識出来ていないもののことです。
元々は、眼科用語で網膜にある盲点のことですが、コーチング ではマインドの作用がもたらす心理的な盲点のことを指します。
感覚器官で受け取った光や音、匂いや皮膚感覚などの情報が電気的な信号に変換されて神経経路を伝って脳まで到達します。
ところが、脳ではすべての情報を認識に上げていたのでは情報処理がパンクしてしまうため、本人にとって重要な情報のみをフィルターのようなもので選別しています。
そのフィルターのようなもののことをRAS(網様体賦活系)と言います。
要するに、本人にとって価値のあるものや脅威となるものを認識するようにRASが情報を選別しているのです。
ここまでは、ご存知かも知れません。
だから、一人ひとりが見ているこの世界は、自分が重要(価値、脅威)だと思ったもので出来ているとも言えます。
逆に言うと、自分が重要だと思っていないものは見えていない、認識できていないわけですから、大抵の人にとっては世界のほんの一部しか知らない、つまりは、実はこの世界はあなたが思っているような世界ではないと言うことがあり得るわけです。
ある得るどころか、たぶん真実は「ある得る」以上のことなのです。
あたなが理解している世界が実は真実をほとんど反映しておらず、あなたの知らない本当の世界があるという方が信憑性が高いのです。
少し話を戻して、あなたにとって重要なものは何かを考えてみましょう。
お仕事をしていらっしゃる人にとって、その仕事はどれくらい重要でしょうか?その重要だと思う基準は何でしょうか?
収入を得るため、つまりはお金を稼ぐために仕事は重要だと考えている人が多いと思います。
それ以外に仕事をする重要性といえば、会社やその他の所属する組織の中で昇進して高い地位を得ることがあるかも知れません。いわゆる、出世欲を満たすというものです。
私も長年会社員をしていたので、たまに不思議に思うことがありました。それは、目の前の仕事が実際にはやりたくなくても、出世して高い地位、すなわち権力、と高い報酬を得ることが出来るのであれば、そのために必死に努力することが出来る人が世の中にはたくさんいることです。
半分イヤイヤやっているのですから、本人は辛さを日々味わっているはずなのに、上り詰めて行くためには、精神的に少々キツくても身体を壊すことがあっても、それくらいは厭わないという、不気味さを感じるほどの気迫で仕事をやっているわけです。
しかも、職場ではそれは当たり前の事で、さらには賞賛されるべき事であるとさえ捉えられているので、周囲に誰も本人の考えを改めさせる人はいません。
まさにスコトマになっているのです。
自分が所属している空間だけ他の世界とは隔離されていて、まるでバブルの内側にいるかのように内輪の論理と価値観が幅を利かせているのです。もしかしたら、他の世界も自分の世界と同じようであると勝手に思い込んでいるのかも知れません。
そして、人生の中で仕事がその大部分を占めている人にとっては、仕事上の重要性が人生全体の重要性の大半を決めています。
だから、例えば北欧のような福祉国家の企業で働く人の価値基準で世の中を見ることは出来ないし、ましてや、温暖な南国で自給自足で楽しく生活している人の見ている世界を想像することは出来ないのです。いま挙げたどちらの例も実際に地球上に存在していてもです。
生まれた時は、あなたも他の生き方をしている人と同じように、何も描かれていないキャンバスのように真っ白だったはずです。
では、どうやってあなたは、今の生き方を良しとする価値基準を身につけたのでしょうか?
それについては、次回にお伝えしたいと思います。
それでは、みなさんのゴール達成を心より願っております。