ゴールの見つけ方

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最近英語を話す機会が随分と少なかったので、地元神戸で英会話の交流会があるのを聞きつけて、参加して来た。

参加者は20代から60代で、女性がやや多めではあったが、日本人だけではなく海外から日本に働きに来ている人もいた。最初、ネパールから来たというエンジニアの女性から道路のトンネル内に設置する換気システムについて話を聞いた後、日本人で社会人3年目の女性と少しの間だが話をした。

彼女は製薬会社で働いていて、欧州にも拠点があり、将来はそこで働いてみたいという。でも、その希望は簡単には叶えられそうにないし、そもそも強い希望なのかも本人もはっきりしない様子。さらに上司からは、「今後のキャリアについて、あなたは何をやりたいのかを見つけなさい」と言われたとのこと。

私は話を聞きながら、コーチングでサポートできる課題だと思った。キャリア課題には、コーチングはとても相性が良い。

要するに、彼女はゴールが見つかっていないのだ。

でも、本人に仕事でやりたいことは何ですかと聞いたところで意味がない。それが分からないから困っているのだから。

コーチングのセッションでは、たいていクライアントはゴールを設定しないと始まらないということを知っている。それで、とりあえずコーチの前ではゴールを宣言してくれる。でもそれが、本当に心から望むゴールであるかどうかは、本人がそうだと言っても、怪しい。だから、実際には彼女の場合とあまり違いはない。

ゴールの設定は、難しいのだ。心からやりたいと思うゴールは、探し始めてすぐには見つからない。螺旋階段を登っていくように、ぐるぐる回りながら見つけていくものと言ったらよいかも知れない。

まずは小さな一歩でよいから、とにかくゴールを設定してみる。そこからすべてが始まる。でもどんなゴールでも良いかと言うと、そうではない。

いま自分がいる居心地のいい物理的・心理的な空間であるコンフォートゾーンから自由になって、自分はこれからどんな人にでもなれる、どんな場所にでも行ける、どんな事でも出来るという自信を持ちながら、やりたいと思うことを探すのだ。

この段階にたどり着くにも時間がかかるかも知れない。それは、私たちは普段意識していなくても、現状に強く縛り付けられているから、今いるコンフォートゾーンの外は想像できないのだ。その場合は、まず自分が今どんなことに縛られているのかを確認してみるのがいいだろう。

  • 女性として、男性として、何か理想の生き方があると思わされていないか?
  • きちんとした会社で月給をもらいながら働くのが安心と思わされていないか?

常識だと思っていることも、別の視点を持てば、実は単なる思い込みだと気づく。

そうやって、徐々に「縛り」から自由になって、あらためてやりたいと思うことを探してみる。探すのに多少時間が必要かも知れないが、以前よりも自由に発想することが出来て、これまで考え付かなかったようなやりたいことが見つかるようになってくる。

そして、そこで留まっていてはダメで、さらにその先にやりたいことを探してみる。今度は自分一人のことだけを考えてやりたいことを探すのではなく、周りの人のことも頭に入れて、やりたいことを考えてみる。自分ひとりが金銭的な利益や達成感、さらに幸福感を独り占めするのではなく、自分と周りの人も含めて、それらが一緒に得られるようなやりたいことを考えてみるのである。

人はもともと一人では生きていくことが出来ない社会性を帯びた生き物だ。だから、自分のことだけを考えて未来を描くことの方が不自然で、自分が住む社会のことを考えながら未来を想像するのが自然だと思う。もちろん社会といっても、どのくらいの範囲まで考慮するのかは人によって様々だ。

そうやってやりたいことが見つかたら、それをゴールとすれば良いだろう。

でもまだそこで、留まるのではない。次にゴールの再設定というプロセスがあるが、その話はまた次の機会にしようと思う。