ゴールのその先へ(15)

これまでゴールについては、「心から達成したいと思うゴールを現状の外側に設定して下さい」とお話しして来ました。でも、それですぐにゴールを設定できる人は少ないかも知れません。 

現状とは何なのかをきちんと掴めているのかも怪しい中で、手探りで現状の外側に自分のゴールを探し始めるというのが実際のところでしょう。 

それでも、今まで何の疑問も持たずに受け入れて来た現状について、客観的に考えてみること自体がとても意味のあることです。 

私たちは自分自身のことについても、世の中のことについても、自分ではほとんど検証もせず変えられないものとして、何となく「そういうものだ」と受け入れていることがたくさんあります。 

それが、他の選択肢や可能性を著しく狭めています。 

さらに、ほんの少し別の可能性に気づき始めても、「そんなことは無理だ」と最初から自信喪失で、頭の中からその考えを自ら積極的に排除したりします。 

そんな決して良いとは思えない状態の中で、ゴールを設定していくのです。最初から、上手くできる方が不思議です。 

だから、ますはその時の自分が精一杯に考えられる現状の外側でいいのです。後から考えたら、まだ全くの現状の中だったというのでも構いません。とにかく、より外へという意識でゴール設定するとことが大事です。 

そして、何とかバランス・ホイール上に複数のゴールを設定出来ても、その瞬間から設定したゴールに違和感を感じることもあるでしょう。ゴールを探し始めた所から、もう徐々にあなたの中の「現状」がゆらぎ始めます。まだはっきりとは掴み切れてはいなくても、さらに先に本当のゴールがありそうだと心の深いところでは感じ取っているのかも知れません。 

そこで、ゴールを再設定することを考え始めて下さい。ただ、新たなゴールはすぐに見つからないかも知れません。でも、確実に最初に設定したゴールの先があるのを感じているのですから、無意識にしばらくリサーチさせておけばいいのです。 

その時、思考の抽象度を上げておくことが役に立ちます。ここで「抽象度を上げる」というのは、あなたの判断や行動がより広い範囲に影響を及ぼすような事を考えるという意味です。自分だけにフォーカスし過ぎないということです。 

新しいゴールのイメージは、いつ思い付くのか、どこからか降って来るのかは分かりません。でも、無意識が作動しているので、ふとした瞬間に「これだ!」と思い付いたりするものです。 

ゴールは職業のゴール一つではなく、趣味や生涯学習、社会貢献やファイナンス、家庭や健康などにも設定するのでした。だから、思いっきり趣味のゴールを追求している時に、ふと職業の新しいゴールが浮かんだりすることもあるはずです。社会貢献のゴールを追求している時に、生涯学習のゴールが更新されることもあるでしょう。 

こんな風に様々な関係性の中で、思いもよらないタイミングで本当のゴールは見つかります。だから、ゴールは一度設定したら終わりではなく、どんどん更新して下さい。