たくさんゴールが必要なのは(14)

目次 

  1. バランス・ホイールを使ってゴール設定
  2. 未来をビビッドに描くテクニック
  3. 手間をかけて変えるもの
  4. 変える基準は「現状の外側のゴール」
  5. バランス・ホイールと臨場感

バランス・ホイールを使ってゴール設定 

ゴールはバランス・ホイールの各領域に一つずつ、合わせて8個〜10個を設定します。職業のゴールだけではなく、家庭や健康、趣味やファイナンス、さらに社会貢献や生涯学習などについてもゴールを設定するのでした。 

未来をビビッドに描くテクニック 

次に、ゴール世界の自己イメージとコンフォートゾーンに臨場感を持てるように、言葉が持つイメージ想起力を利用したアファメーション(下記引用を参照)や「未来の記憶」を意図的に作り出すビジュアライゼーションによって、未来をビビッドに描きます。 

未来の自分に臨場感を持てるようになるには、多少手間と時間がかかります。でも、自分の人生を変えたい!もっと成長したい!と考えるあなたにとってはきっと大したことではないでしょう。 

人はそう簡単に変わらない!じゃあ、コーチはどうする!?(2023524日) から引用)

そして、ゴールを複数設定できたら、それぞれのゴールに対してアファメーションを使って、臨場感を高めていく。ゴール達成は未来のことだが、「いま」すでに達成しているかのように脳を騙すために、未来の自分のセルフトークを取り入れるのだ。それがアファメーションである。 

ここでアファメーションを作成する際の11のルールを紹介しておこう。 

  1. 個人的 
  2. 肯定的 
  3. 現在形 
  4. 達成を示す 
  5. 比較をしない 
  6. 動作を表す言葉 
  7. 感情を表す言葉 
  8. 正確さ 
  9. バランスを取る 
  10. リアルなものにする 
  11. 秘密にする 

11番目の「秘密にする」というのは、世の中はドリームキラーと呼ばれる、人の足を引っ張る人がいるので、コーチ以外には自分のゴールやそれに付随するアファメーションの内容は秘密にしておいた方がよいということ。 

手間をかけて変えるもの 

でも、こんな手間のかかることをするのは、今のままのあなたでは心から達成したいと思う「現状の外側のゴール」を達成できないからです。ゴールを達成するには、あなたが大きく変わり、もっともっと成長する必要があります。 

そして、あなたが大きく変わる時には、無意識の判断(アティテュード)無意識の行動(ハビット)が変わっているでしょう。 

無意識の判断というのは、日々の生活の中で何気なく下している判断のことで、無意識の行動とは、ほとんど条件反射的にやっている行動のことです。 

例えば人から何か頼まれると、内容をきちんと理解もせずに「今は時間がない」と咄嗟に返答していたり、逆に怖い先輩から飲み会に誘われた時は、たとえ忙しくて時間がなくても「行きましょう!」と即答していたなどということはありませんか? 

あるいは、街を歩いていて前方に人混みが見えたら、スッと迂回路を選んでいたり、同僚とランチしながら楽しく話をしている時に、こちらに近づいて来る嫌いな上司を見かけた途端、さっと声が小さくなったりしたことはありませんか? 

このように人には条件に応じて反応するたくさんのパターンがあります。そのパターンのうち、あなたのゴール達成に邪魔になるものは変えていかなければいつまで経ってもゴールを達成できません。 

変える基準は「現状の外側のゴール」 

実は、現状の外側のゴール設定というのは、この無意識の判断と無意識の行動を変えていくための第一歩です。 

ゴールを設定して、それを達成した時の自己イメージとコンフォートゾーンをリアルに感じられるようになって来ると、日々の言動から周囲の人に対する態度、物事への向き合い方なども含めて、今の自分に違和感を感じるようになってきます。 

例えば、仕事で何かトラブルが発生した時、これまでは上司からのアドバイスに従って動くだけの受動的な態度だったのが、ゴール設定後は、まずは自分で対処方法を考えたうえで、上司には経過を報告するだけという主体的な動き方をすべきではないかと気付くかも知れません。 

でも、このように様々な状況のもとで自分がやるべき事や取るべき態度について、意識的に考える中で良いアイディアやプランを思い付いたとしても、それらが必要な場面で、その一瞬に実行できなければこれまでと何も変わりません。 

意識下での思考を変えるだけではなく、無意識に働く判断と行動をゴール世界の基準に変える必要があるのです。 

バランス・ホイールと臨場感 

そして、無意識を変えるにはゴール世界の自分に臨場感を持つことが出来れば良いのですが、そこで問題になるのが臨場感です。いま自分がいる物理空間に感じている以上の臨場感をゴール世界の自分に感じることが出来なければ無意識の判断と行動は変わりません(臨場感については、下記記事参照)。 

2つのリアリティ/最後は臨場感が物を言う

頭の中で想像しただけの「未来の自分」というイメージに強い臨場感を感じようとする時に、たった一つだけのゴールに対する自分のイメージだけで十分でしょうか? 

普通、ゴール設定というとまず職業のゴールを探し始める人がほとんどです。でも人生は職業だけで成り立っているのではありません。家族や趣味や、日々生活していく中で関心のある領域がいくつもあるでしょう。 

だから、未来の自分に対する臨場感を出来るだけ上げていくためにも、人生のあらゆる領域にゴールを設定するのです。