目次
- 秩序を壊すゴール設定
- マインドにとっては物理的でも心理的でも同じもの
- 内側と外側のリアリティ
- 内側と外側の矛盾を解決する
- モチベーションとクリエイティビティ
秩序を壊すゴール設定
ゴール設定については、さらに次のように言う事もできます。
『ゴール設定は、自分の内側の秩序が乱される「無秩序」を生む作業だ』
(田島大輔著 「マインドの教科書」より)
普通、人は安定や幸福を求めるのに、ゴール設定によってわざわざ「無秩序」を作り出すというのです。
でもよく考えてみると、今の安定しているコンフォートゾーンから新しいコンフォートゾーンに移るためにゴール設定するのですから、一旦安定が崩れて無秩序になり、再び安定した状態になるというなら理解可能でしょう。
マインドにとっては物理的でも心理的でも同じもの
コンフォートゾーンというのは、物理的・心理的に居心地のよい空間のことでした。だから、今のコンフォートゾーンにいる時には、例えば自分の部屋や職場、よく行くお店、気心知れた仲間が周りに「有る」だけではなく、今自分が大切にしている信条や価値観、文化や習慣など心理的なものもそこには有るわけです。
そして、さらに深く考察すると、物理的な空間として挙げたものも、結局のところマインド(脳と心)で認識しているので、実体があると言ってもマインドの作用に過ぎないとも言える訳です。
内側と外側のリアリティ
このことを前提にして、ゴール達成の仕組みを考えてみましょう。
ゴール達成のためには、まず、現状の外側にゴールを設定するところから始まるのでした。そして、ゴールが設定できたら、今度はゴールを達成した世界にいる自分の自己イメージと新しいコンフォートゾーンを出来るだけ具体的にイメージして感じてみると言いました。
このプロセスで何をしているのかというと、自分の内側(マインド)に新しいリアリティを構築しているのです。マインドの話なので、物理的な実体は当然ありません。
さて、ここで困ったことが発生します。
自分の内側(マインド)にあるリアリティと、いま自分の前に広がってる自分の外側のリアリティが食い違っています。いわゆる「認知的不協和」の発生です。
内側と外側の矛盾を解決する
マインドは同時に二つのリアリティを保持することは出来ないので、当然、どっちが本当のリアリティなのかと大混乱が起こります。
でも大丈夫です。マインドには「矛盾を解決する」という働きがあるのです。すなわち、より臨場感の高いリアリティが選択されることによって解決されます。
だから、ゴール世界の方により臨場感を感じてくださいというのです。
ゴールを達成した時の自己イメージとコンフォートゾーンに、より高い臨場感を持てば、マインドはそちらの方を選択します。
モチベーションとクリエイティビティ
そして今の自分とのギャップを埋めようとマインドがエネルギーを生み出し、クリエイティビティを発揮し始めます。
この時生み出されるエネルギーのことを「モチベーション」といい、「クリエイティビティ」というのも結局はギャップを埋めるためのマインドの働きだということです。
そして、現状から出来るだけ遠くに離れたゴールを設定すれば、それだけ大きなエネルギーと大胆なクリエイティビティが発揮されます。
だから、これからの時代に向けて企業や社会の大変革を担っていく次世代人材には、大胆に現状の外側のゴールを設定することが必要なのです。
(『次世代人材を育成する1️⃣1️⃣』につづく)