目次
- 自分のことを過小評価していないか?
- ネガティブになりがちなセルフトーク
- セルフトークが自己イメージを作り上げる
- 自信をつけて、未来のキャリアをイメージする
自分のことを過小評価していないか?
自分の未来のキャリアを考える前に、どうしても認識しておかなければならないことがあります。それは、人はたいてい自分のことを過小評価しがちであるということです。これは、これからキャリアを積んでいこうとしている若い世代に限らず、ほとんど全ての人について言える事です。
自分を過小評価していることで、未来に対して思い切ったゴールを設定することが出来なくなっています。もし手近なところで先輩や上司を目標にしてしまったら、先行きの見えない時代を切り開いていくことは出来ないでしょう。次世代人材とは、先輩や上司を超えていく人のことなのですから。
でも、そもそもなぜ人は自分のことを過小評価しがちなのでしょうか?ここでは、「セルフトーク」というキーワードから紐解いてみます。
ネガティブになりがちなセルフトーク
セルフトークとは、自分で自分自身に語りかける言葉のことです。
一人で静かに過ごしている時に自分につぶやく言葉だけではなく、例えば本を読みながら、頭の中で「作者はこういうことを言いたいんだろうな」などと自分に説明している言葉もセルフトークです。
セルフトークは、記憶を素材にして発せられることが多いのですが、人はネガティブな事をより記憶しがちなので、どうしてもセルフトークはネガティブなものに偏ります。
人は進化の過程で危険や失敗の経験をより良く記憶しておくことで、同じような事象が発生した場合には回避できるという能力を得ました。特に命に関わる事を上手く回避することで生き残って来ました。
洞窟に暮らしていた頃には獲得していたであろうそうした能力を、随分と安全になった現代でも引き継いでいるので、ネガティブな記憶がより良く記憶され、その結果、セルフトークがネガティブに偏っているのです。
あなたは小さい頃から、両親や周りの大人から、あなたの行動の結果や性格について、例えば、
「おとなしいね」
「やさしい子ね」
「いつも元気いっぱいね」
など、様々なことを言われて来たのではありませんか?
ポジティブに捉えられる言葉ならいいですが、ネガティブな言葉ならどうでしょうか?
セルフトークが自己イメージを作り上げる
子どもは、大人の言うことに反論することは簡単ではありません。そして、何度も自分について同じことを言われると、やがて自分でも「そういう人間なんだ」と受け入れてしまいます。
大人同士であれば、相手が自分に対して言った言葉を受け入れず、自分の別の良いところを思い起こして、意図的に良い方を自己イメージに取り込むことができるでしょう。
でも、子どもの頃は、大人が言ったネガティブな言葉をそのまま自己イメージに取り込んでしまう危険性が高いのです。たった一回言われただけでも、情動記憶として強く心に残っていれば、自己イメージに取り込んでしまうこともあります。
セルフトークによって言葉を出すと、それに釣られて過去の出来事から映像が思い浮かびます。そしてその映像が今度はその時に感じた感情を呼び起こすのです。この言葉→映像→感情のループを繰り返すことで、経験はたった一回でも、頭の中で何度も追体験してしまい、結果的に自己イメージに取り込まれてしまうのです。
自信をつけて、未来のキャリアをイメージする
だから、ネガティブなセルフトークを自己イメージに取り込まないためには、セルフトークをコントロールすることが必要です。
普段は無意識に行なっているセルフトークを出来るだけ意識に上げて、ネガティブなことを言いそうになったら、意識的にポジティブな表現に言い直すのです。
最初はうまく行かなくても、セルフトークに意識を向け続けているうちに、段々とポジティブなセルフトークが増えてくると思います。
すると、これまでよりも少し自分に自信が持てるように感じられるようになって来ます。
そうやって、自己イメージが改善され、自分に自信がついて来たら、未来に望むキャリアももっと大胆なものをイメージできるようになるでしょう。
(『次世代人材を育成する5️⃣』につづく)